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Column キレイの法則
~366日★ココロ元気

「やる気が出ない」「元気がない」、そんなときは心に効くごはんを!

庄司いずみ

Profile庄司いずみIzumi Shoji

野菜料理家。 100%植物性のみのレシピを紹介するブログ「vege dining 野菜のごはん」で人気をあつめ、ブログを本にした初のレシピ本は7万部をこえるヒットに。
その後、『デトックス・ベジ』シリーズ(主婦の友社)が累計21万部を突破。
主宰する料理教室が女優やモデルの人気を集め、現在は代々木上原の『庄司いずみ ベジタブル・クッキング・スタジオ』で料理教室を主催。近刊に『週末だけ塩抜きダイエット』『デトックスウォーター』、『野菜食べ順ダイエット』など。
最新刊は10月5日発売された『料理がとびきりの味に プレミアム豆乳マジック!』(集英社刊)。心にも効く豆乳のレシピをメインからデザートまで77種類を公開!本には今回写真で紹介した料理(ソイビーンズスープ、豆乳グラタン以外)のレシピも、掲載されています。
オンラインメディア『OurAge』での連載「野菜の話、ときどきベジレシピ」には最新のベジ情報や、レシピが!
http://ourage.jp/column/series/226/

こんにちは! 野菜料理家の庄司いずみです。
野菜料理家と名乗っているのは、私自身がベジタリアンだから。私生活では野菜料理を楽しみ、レシピ本やブログ、料理教室などでは、
美や健康にいい植物性100%のベジタリアンレシピを伝えています。
そんな私のもとには時折、食事の悩みや質問が寄せられます。
多いのは、若い女性なら、「ダイエットで好きなものが食べられなくてストレスです」という声。
大人の女性なら、「食事療法をしているけれど、節制しているせいか痩せるし、力が出なくって」などの悩みを効くこともあります。
もしかするとあなたも、食べるとき、素直にハッピーになれないときはありませんか?
たとえば……。


スィーツを「おいしそう!」と思うと同時に「太りそう」とためらう。
外食でこってりしたメニューしかないと、「体に悪そう」と感じる。
ビジネスランチで気がはっていたために、食べた気がしない。
苦手な食べものを、「おごってくれているのに悪い」と無理に食べ、気分が悪くなる


など…。
私たちの生活の中では、食事がストレスになることも実はしょっちゅうです。

もしかして、食事がストレス!?

私もそう。たとえば10代後半から20代はしょっちゅうダイエットにトライ。ガマンガマンも辛いですし、人が食べるものまで気になって、いつもイライラしていました。
「食事療法で痩せてしまう」悩みも人ごととは思えません。
今でこそ、ベジタリアンというと「ヘルシーでおしゃれ」なイメージですが、私がベジタリアンになった20年前には一般的ではありませんでした。
ベジタリアンになったきっかけは、今年21歳になった娘を産んだあとの、乳腺炎というおっぱいのトラブルがきっかけ。炎症だから肉や魚、脂っこいものなどを食べると腫れが悪化し、熱も上がるのです。
食べた物がダイレクトに体調に影響することを、身をもって知り、またそもそも野菜が大好きだったこともあって、次第に野菜中心の食事となったのですが……。


大問題がひとつありました。望んでいたわけでもないのになぜかみるみる痩せたのです。
となると、当然のこと、家族にも心配されます。「ベジタリアンで大丈夫?」と。
それもあり、栄養のことはちゃんと調べました。
まずタンパク質。ベジタリアンの食事では筋肉が落ちるのではとも思われがちですが、大豆製品など植物性のタンパク源は豊富にあるし、ナッツや野菜、ごはんにだってタンパク質は含まれます。
動物性の素材に多いビタミンDやビタミンB12は不足しがちなようですが、必要ならビタミン剤で補うこともできます。
カルシウム、鉄分なども、それらを多く含む植物性素材を心がけてとればOK。きちんと献立を考えれば、ベジタリアンでも問題はなさそうです。
私の食事の内容はというと、その頃から肉魚は食べなくなりましたが、ごはんはモリモリ、豆腐や厚揚げ、納豆などでタンパク質もしっかりと。揚げものも好き、だからカロリーだってしっかりとっているはずです。
実際に、何人かいたベジタリアンの知人の中にはふっくらした方も何人もいました。なのに、私はなぜ痩せる?
その頃の私には、理由がわかりませんでした。

ごろごろ野菜のトマト豆乳クリームスパゲティ

栄養はしっかり摂れているのに激痩せの謎

けれど、食生活を変えてから数年経つと、なんてことはありません。体重は徐々に増え始め、料理の仕事を7年前に始めてからはすっかり元通り。いえ、元以上!?
あとで思うと、食べても食べても痩せたのは、もしかして思い込みのせいだった気がします。
というのも私たちは、子どもの頃から「偏食では大きくならないよ」と言われて育ちます。私自身、ごはんとおしんこ、おひたしなどのおばあちゃんの食事のような地味めのごはんが好きだったこともあり、肉や魚のごちそうを「がんばって食べなさい」と言われることもよくあった。
私の場合、その思い込みもあって、頭では「ベジタリアンでも栄養OK」と理解していても、心では「栄養が足りていないかも」と感じていたのかもしれません。また、「栄養は足りているはずなのに、なぜなぜ!?」と焦るストレスもよくなかったと思います。


心身は一体です。「おいしい!」と心が喜ぶと唾液が出て、体が栄養を吸収するスタンバイが整いますが、ストレスや心配ごとがあると、実際には栄養が足りていたとしても吸収できません。
苦手なものを無理して食べているときや、ビジネスランチで緊張しながら食べているときも同じこと。食べることがハッピーではない状態で食事をすると、吸収しないまま体を通り過ぎてしまいます。
私の場合は、野菜が好きなはずなのに、いろんなひっかかりがあって数年はベジタリアンの食事を心底からは楽しめてなかった。
思い込みがとけ、悩みが吹っ切れて、心から「野菜が大好き! とってもおいしい!」と楽しんで食べるようになって初めて、野菜やごはんの栄養が吸収でき、身につくようになったのだと思います。

ヴィシソワーズと大豆だしのガスパチョ

心に効くごはんって!?

ダイエットが気になったり、体にいいものを摂ろうと心がけるのは女性として必要なことですが、何度も言うように心身は一体。体だけじゃなく、心にも効くごはんじゃなければ、栄養もとれないし、元気にもなれません。
では、心に効くごはんってなんでしょう。


実際に”心に効く栄養”はいくつかあって、たとえばビタミンCはストレス時に出て心身を守るコルチゾールというホルモンの材料になるから、野菜をたくさん食べるとストレスに強くなります。
ほかにも、玄米などに多いギャバは心を安定させてくれるし、カルシウムは脳神経の興奮をおさめてくれます。
野菜料理家としてはおすすめの野菜もたくさんありますが、それ以前に、やはり「好きなものを食べること」が、心に一番効きます。
食べるのがハッピーならば、体はスタンバイを整え、たとえジャンクなものやヘビーなものを食べても、必要な栄養は吸収できます。消化吸収がスムーズなら、こってりしたラーメンも、ボリューム満点のハンバーガーでも、もたれて困ったりはしないのです。
もし、あなたが今、ダイエットのためにガマンしていたり、食事が楽しくないとしたら、たとえば週末だけは好きなものを食べましょう。


「ならとんかつを、ラーメンを、ケーキを好きなだけ食べてもいいんですか?」と言われたら……。
栄養のかたよりも心配だから、”ばっかり食べ”は避けたいですが、まずは気にしなくても大丈夫。たいていの人は1、2回、多くても4~5回も食べたら気が済んで……、つまりストレスも吹っ飛んで、今度は「少し体に優しい食事にしようかな」とバランスをとりたくなるはずです。

ソイティラミス

優しく、心にも効く野菜&豆乳レシピ

さあ、そこからが野菜料理の出番です。


「食べすぎたかも」というときはサラダで軽く済ませてもいいし、食欲があるならサクッとあげた野菜のフリットなどボリュームメニューでも。カロリーなんて気にしません!
野菜には食物繊維が多いから、たくさんとるほどお腹の中からデトックスできますし、カリウムが多いから余分な水分を追い出し、むくみ解消。見た目にもすぐすっきりします。
もっといいのは、豆腐など、大豆製品と組み合わせること。
栄養的にも豆の仲間は優秀です。タンパク質がしっかりとれる上、食物繊維やカルシウム、カリウムなど、肉や魚には少ない栄養も。
さらに、サポニンという成分は体脂肪を減らし、血液をサラサラにもしてくれます。女性に嬉しいのは、女性ホルモンと同様に働くイソフラボン。年齢を重ねてもしっとり肌や女性らしい魅力をたもつ強い味方です。
“心に効く栄養”もちゃんと含まれていますよ。心を落ち着かせるセロトニンというホルモンは、アミノ酸の一種、トリプトファンから作られますが、大豆製品にはそのトリプトファンもたっぷりです。


お手軽なのは豆乳をつかうこと。
写真のように、豆乳でいろんな豆を軽く煮たソイビーンズスープならごく簡単。
豆乳を味噌やしょうゆ、塩などで好みに味をつけ、小麦粉少々を混ぜてひと煮立ちさせると、即席のホワイトソースのようになります。これを好みの具材にとろりとかけ、オーブンで焼けばグラタン風も即出来上がり。
疲れて料理をする元気のないときにも、豆乳料理をぜひどうぞ。
優しい味に癒されて、元気も戻るはずですよ。

ソイビーンズスープ

豆乳グラタン

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